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感情デザイン_「周辺体験価値に見る化粧品ブランドの差別化」

化粧品業界における商品力の横並び化は近年の大きな課題です。

各ブランドが薬機法の範囲内で使用できる有効成分や処方には限りがあり、一方で、原材料、製剤の加工技術は格段にアップし、メーカーだけでなく、OEM・ODM会社も技術レベルのアップで新規参入でも高機能の商品を作れるようになったからです。商品単体で差別化を図るのは難しい時代と言わざるを得ません。

更に、「結局のところ口コミで決める」というユーザーの判断軸からSNSマーケティングに予算を投入するも、「情報が溢れすぎて違いが分からない」「どれも同じに感じる」という堂々巡りに繋がっています。



横並びを避けるために、 独自性や専門性を上げれば上あげるほど、コミュニケーションにおいては消費者には伝わり辛いという課題ができてきますが、競合との差別化を図るためには、ブランド独自でのコンセプト設計やストーリー作りがとても重要になってきます。

そこで、何によって差を生むかが重要となるわけですが、様々なアプローチが存在する中で、今回は、一つの切り口『化粧品を使用する/使用した際の周辺体験価値をあげること』をご紹介します。

周辺体験価値とは以下の3軸から成り立ちます。
1つ目は、入り口として『共感』(“わたくしごと”できるブランドだと感じさせること)です。
2つ目は、実際に試してみて『期待』(これなら変われそうと未来が想像でき、その導線を感じられること)です。
3つ目は、継続使用して『実感』(小さな変化に気付きを得られること)です。
この3つが叶った時、お客様の熱量の持続を促すわけなのです。

継続的に支持される化粧品ブランドの鍵は “体験設計力” にあると言えます。
独自の体験設計が実装されているブランドは、競合同質化や価格競争に巻き込まれにくくなります。



では、この体験設計について考えてみましょう。

ターゲットのライフスタイル・ある1日・ある1シーンをペルソナとともに設定し、『5感と意識』の流れを可視化してみましょう。マインドの流れを読み取る事で、感情がデザインとして立体的になり解像度が高まっていき、体験設計の本質が見えてくるはずです。

ここでは具体的なデザインづくりに関しては割愛しますが、ブランドの特徴やターゲットによって、様々なデザインパターンが想定できます。製品の種類によって、機能価値や情緒価値によって生活者のインサイトにどうリーチするべきか?一度、周辺体験価値を見直してみることで、ステレオタイプなコミュニケーションからの脱却ができるはずです!

感情のデザインを可視化したら、次に、ブランドの思想・世界観・使用体験・コミュニティ・ストーリーに共通構造を持もたせた体験設計を構築します。

一例を以下に記載します。

① 空間・店舗体験(会話、リラクゼーション、ライティング、導線)
② 開封体験(手紙、ブランドカード、ストーリーカードなどの手触り、デザイン、色彩など)
③ 五感体験(香り、テクスチャー、肌への広がり、翌朝の肌、解釈)

商品の性能の訴求を強くするだけでなく、『体験』、もしくは『感情』の体感を強く与えられるブランドは、顧客の生活体験に紐づけることに成功し、ターゲットに受け入れられることになるのです。体験価値の設定は、ブランドの資産といえます。商品企画の段階から、マーチャンダイジング・マーケティングに展開し落とし込む想定でプロジェクトを進行できるのが理想的です。

• 顧客は「体験の心地よさ」でブランドを無意識に選ぶ
• “熱量のあるブランド”は、感情や意識を見ている

ということを、今一度見直しても良いかもしれません。